両声類講座⑦女聲の形 -初期段階の女声と練習法-" />

両声類講座⑦女聲の形 -初期段階の女声と練習法-

記事のレベル;★☆☆☆☆ 

 

はじめに

女声を発生させるために最も重要なのは、「響き」である。これは以前の記事でもさんざん言ってきたことだ。「響き」のみでも、ある程度はゴリ押せるところもあるが、前提として喉の形が整っていなければやはり歪な女声になってしまう。

 

ただし、この「喉の形」を整える作業は、練習すれども想像以上に成果が外面に現れ難く、挫折する人も多い。女声の発生過程において、最難関の部門ではないものの、やはり自分の成長が目に見えないというのは継続意欲を欠く要因になるため諦めてしまう、というというのが多くの両声類を目指すものの辿る道なのである。

 

そこで今回は、初期段階の女声について考察し、読者の皆様の一助になれば良いと思っている。

 

 

現在の私の喉の形

正直昔どんな喉の形だったかあまり覚えていない。

でも、今の喉の形を見ることで参考程度になればと思って写真をここにのせる。

これらの写真は女声を出す時の喉の形が分かりやすいように、喉を強めにしめている。

➀普通に締める

女声を出すのに極端に喉の形を整えてやると外見はこういう風になる。

プライバシー保護のためにモザイク入れてるところもあります。ダサい服着てるとか首キモイとか言わないでください(笑)

 

 

この喉の形で話すとこのようになる。

☆どのように喉を使っているか感覚的に説明する

 

➀赤で囲った部分

ここは喉仏。自分では殆ど上げてないつもりだったが、デフォルトの喉仏の位置よりか上にある。ただ、この喉仏の位置、他のサイトではよく「唾を飲んで喉を上げてそこでキープ!」とか言われるが、そこまで上ではない。

 

②緑で囲った部分

横に開くと写真の喉の形のようになる。

ちなみに、普通に裏声(ミッキーのような声)を出そうとすると、縦に喉が開くイメージがある。縦に開く感覚と言われてもピンと来ないかもしれないが、横に開く感覚に慣れてくると違いが分かると思う。

 

基本的には喉は縦に開く必要(裏声をだしてやる必要)はあまりない。慣れれば、裏声からでも地声からでも出せるようになるからだ。つまり、地声だの裏声だの考える必要がないということ。ちなみに、喉を縦に開いたまま(普通に裏声を出したまま)横に広げようとすると、やりにくさを感じると思う。場合によっては痛みを感じるかもしれない。別に縦の開きは有っても無くてもいいので自分で色々試してみてよさそうなものを選ぶとよい。

 

③青で囲った部分

恐らく他のサイトを巡られてる皆さんなら一度は耳にしたことの有るだろう「輪状甲状筋」と輪状軟骨。メラニー法で「下の声帯」的な表現がなされる場所。

ミックスボイス的な声に近い声を出すためにはこれを自由に下に下げる力が必要条件。なのだが、この感覚を掴むのが難しい。別にできなくても、緑と赤の丸で囲った部分と「響き」で誤魔化しながら女声のようなものを出せないこともないけれども、完成度が低いものになる。ただ、写真のように極端に力を入れなくても、ちょっと操作することが出来るようになれば、ほとんど下に下げてない感覚でもいい女声は出る。

 

②喉を上に上げつつ話す

よく言われる、「唾を飲みこんでその位置で喉仏をキープ!」で女声を出してみた時。

この形で声を出すとこのようになる

円が大きすぎてどこが喉仏か分かりにくいかもしれない。ごめんなさい。

上の画像と見比べてほしいのだが、若干上げっているのだよ!

 

音声の通りとにかく話しにくい!

しかも、上の音声サンプルと比べても、声質もそんなに変わっていない。

そういうわけで、喉上げは最終的にはあまり重要ではなくなる。

③喉を下げつつ話す

この形で声を出すと次のようになる。

 

喉を下げているつもりだったが、実際はデフォルトの位置よりも上がっている。下がっているのはいわゆる「下の声帯」の方である(➀の画像の青色の部分)。

実はこのこと、筆者自身この写真を撮るまで気づかなかった。

 

とにかく、この部分を下に下げることで低音でも男声が暴発せずに話すことが出来る感じがする。

 

 

筆者の初期声

筆者は女声を練習するにあたって声を録音してきた。無駄に3000以上録音があるので、初期の声に絞って何本か恥を忍んでアップロードしていきたい

女声を練習していても自分の声が上達しているのかどうか分からないと思う。これを一つの指標にしていただければと思う。

 

★記念すべき最初の声:

あれ、わりとうまくね? でもやっぱりミッキー感が拭い去れない。そもそも声が小さければ小さいほど男感は消せるため、あまり参考にならない。

たぶんこれくらいだったら多くの男性の方が出すことが可能だと思う。

この点は文字を小さく書けば書くほどきれいに見える法則と同じである。

 

★練習開始2日目の声:

ちょっと声大きめ。やはり男である。普段の声よりも高いけれども地声でしかない。地声とか裏声とかミックスとか全然知らなかったのでこんな感じ。

ごちゃごちゃ統計解析とか云々言ってるのは、適当に目に付いた本棚の本を言ってるだけ。(何を話せばいいか分からなかったんだ)

★1週間後の声:

ん~。。。キモいですねぇ。

 

★2週間後:

この後、「声換点」の概念をネット上で見つけ、そのスポットで声を出す練習をし始める。

とりあえず、「あーーーー」と言いながら声換点付近でひたすら声を出し、録音を繰り返すもなかなか出ない。

ちょっとずつ向上しているのかもしれない。

この頃はひたすらその「声換点」を射抜くように声を出すことを心がけていた。

 

★1か月後:

初期よりはだいぶんマシになったけれども、まだまだかなという感じである。2週間後の時もそうだったが、結構声が「ガラガラ」してるのが聞き取れると思う。

これは声換点なんて言葉で聞いても良くわからなかったから、地声と裏声の間のガラガラした声が出るポイントを(勝手に)定めて練習していた

 

★1か月1週間後:

醜い声だが、この段階では「声換点」付近で、音程を上げたり下げたりしていたと思う。

ちなみに、「あ」を発声するときは「え」えの口をして「あ」の発音、英語でいう[æ]の発音を心がけることで、上の写真の青丸で囲った部分が鍛えられると他のサイトでみたので、それを心がけている。

ミッキーボイスになったり、地声に戻ったり行き来してる状態。0:16の所らへんは地声になったりしている。ガラガラする場所をちょっと外していくとこんな感じになる。

思うに「ガラガラ」声は自転車の練習で言う補助輪みたいなもので、「声換点」のだいたいの感覚を掴ませてくれるもの。もちろん「女の子の声」はだいたいガラガラしている人はいないので最終的には取り除いていきたい。

★1か月と3週間後の声:

上の音声サンプルは1か月と3週間後の声。音声ファイル名が「現時点最高」だったやつw。

声換点付近で「あーーーー」と発音しながらも喉の形をいろいろ動かしている。

喉仏を上げたり、喉を横に広げていた気がする。

んで、面白いのは0:30~0:33の声。ここで練習1か月3週間にして「女声の種」が実はできている。「ガラガラ」からの、なんか「ハマった」かのような声。

恐らく練習中に女声が偶発的に出るのは良くあることで、実は女声自体を出すのはその事象だけを切り取って難易度を推し量ると高くはない。初心者でも低確率ながら試行回数を重ねることにより、一瞬だけでも女声に至ることはある。

女声の壁はいつでもどこでも100%女声をしかも色んな母音子音で出すのこと。これが超超難しい。

大切なのは、女声に一瞬でも近づいたときに、その感覚を覚えておくこと。

必ず録音してその都度確認して、それっぽいものがあれば、同じ喉の形を意識して、ひたすら発生する。こうすることで似たような声の発生確率が高くなる。

まあ、この時の自分はこれが女声の種だなんて考えずにスルーしていたのでいらない回り道をいっぱいしたわけだけれどね。

★二か月後の声:

この時は喉仏をできるだけ奥に上に上げたり引っ込めたりするのにハマっていた(笑)。いわゆる喉締めというやつ。今の感覚から言うと喉を締めすぎるのは無駄な行為に思えるかもしれないけれども喉を鍛えるという観点からは意外と良い行為だったのかもしれない

また、社会言語学云々言ってますが、これも本棚にあった本を発声してるだけですw特に意味はない。ちなみにこのボイスは、この時点最高の声だったものです。でも、全然ですね。一番最初の声を聴くと少しだけ進歩したかな程度。

 

★2か月と一週間:

この頃には喉を強く締めることが出来るようになってきていた。

喉のしまりを強くしてカエル声を出すと、フリーザ様になるのです。

★二か月と二週間:

若干タラちゃんっぽいけれどもだいぶんサマになってきていると思う。

もちろん、声換点と[æ]の発音は常に心がけつつ練習に励むべし。

 

★三か月後の声

今この記事を書いている時期からちょうど1年前の自分の声。日々精進した結果こんな感じ。感覚がつかめてきた感じ。まだまだ女声出る率が低い時期だったけれども、たまにこんな声が出せるって感じ。感じ感じうるさいって感じ。

だそうです。

たしかこの時扇風機の風を「強」にしていたから雑音が結構入っていると思います。

口から上の空気云々は、別に口から上の空気を使うことが重要なのではなく、しっかりと喉を締めて声帯からの息漏れがなくなったかのような息使いのことを表現しているんだろなと今にって思う。

 

以上が紹介でした。だいたい3か月くらい練習すればここまでは誰でも行けると思います。

練習方法

喉の形に関しては上の画像アンド説明のように

オススメはまず②の形を意識して発声できるようになればいいと思う。

つまり、➀の喉の形のまま極端に喉仏を上げて話す練習をする。

慣れてきたら、②→③→➀という順にキツい条件から徐々に緩めていけばいいと思う。

個人差があるので、もちろんこれを試せば絶対に何とかなるというわけではない。

なぜかというと、女声に重要なのは女声を出すための喉の筋肉を鍛えることなので、先ずは、いろいろな喉の形を試して喉に負荷をかけることが重要だと考えられるから。

そのためには、まず、強めに練習して、のちのち弱くしていかないといけない。

女声を出すときは力は入れるなとよく言われるが、それは無駄な筋肉を使うなという意味で、まだ動かしたことのない未知の筋肉を鍛えるという意味では、色々なところに力を入れていくのも有効なんじゃないかなと思う。。

鍛えれば鍛えるほど、女声発生確率を高めるというか失敗率を低くすることができる。 

 

あと、重要なことは、声換点付近での声を出すこと。慣れれば、声換点を意識しなくても出すことは難しくはないけれども、初期段階のうちは、この声換点付近以外からは出しにくいと思う。 

声換点で発声するということはすなわち、声区の真ん中を狙って発声するということ。

つまり、地声と裏声の境界線で練習するということということ。

(声区とか声換点については以前の記事とか参照ヨ♡→メラニー法と地声上げアプローチII

 

以前の記事でも出したものですが、初期段階の女声はこんな感じ。

左側の地声、裏声と書いているのが、普段僕たちが話してる声のライン。地声のトーンを上げていくと、もう限界って所が来る。それよりも高くしようと思ったら裏声の領域に突入して「ミッキーマウス」の声っぽい声になると思う。

普通は、この声だけで生きていけるのだけれど、実はこの地声と裏声の狭間に普段は開かない扉がある。

この扉を発見するのも開けるのも難しいのだけれど、開けることが出来るようになると、「こんな声の出し方があったのか」となる。

右側の領域が、女声の領域。扉の向こうの声はカエル声。それを高くすることで女声になる。

このカエル声にするのが一筋縄ではいかない。よく「カエル声を高くしたら女声になるよ」と言われているが、そもそもカエル声にすること自体が超難易度だったりする。

 

とにかく、この付近で上で述べた練習を行うことで、普段とは違った発声領域に行きつく可能性があるということ。

 

 

★それと効果あるなと思ったのは「え」の口をしながら「あ」を発音する[æ]の発音を意識しながら発声すること。写真の青の部分は下に、緑の部分はより横に引っ張られる感じがする。

 

あと、女性らしさの演技とか、息の量とか、ささやき声とか現段階では考えなくてもいいと思います。所詮小細工なので、いつでも女声に付加できるしーって言うのが僕の頭っでっかちな持論です。

でも、演技から入った方がやり易いだとか外堀から埋めた方がモチベーションがあがるという人はお好みで自分のスタイルと貫くべきだと思います。

 

ps

よくよく考えてみたら、上の図ではなくて、こっちの方が正しいかもしれない。

声換点を越えた直後の声はカエル声でもあり女声でもある。地声と裏声が混ざったミックスボイスの状態なので、カエル声でも女声でもある状態。響かせ方によっては女声になるという状況。低く地声要素が大きくなっていくとよりカエル声に、高く裏声要素が大きくなっていくと高い萌え女声になっていくという寸法。

地声カエルの状態で響かせ方と喉のパラメータ(主に「下の喉」)を変形させるとよりナチュラルさが増す感じがする。

 

両声類講座に戻る             ホームに戻る