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音韻論, 音声学 スイカとSUICAの話

記事のレベル; ★☆☆☆☆

日本語の東京方言のアクセントは上記の通り、

ピッチが高いか低いかで決まります

本来アクセントの役割というのは、単語の境界を示したり、意味の区別に役立ったりするものであると考えられています。

今回は後者のアクセントによる、意味の区別についてお話します。

前例で例示しました、日本語の「はしが」の話を見ていただけると分かると思いますが、

それぞれの単語にはアクセントを持っていて、字面では全く同じ単語であっても、それぞれの音の高さ低さで、意味を区別することができます。

おおー便利な機能って感じですが、

ちょっと関西方言での「はしが」の例を考えてみてください。

「箸が」 ↓は↑し↑が

「端が」 ↑は↑し↑が

「橋が」 ↑は↓し↓が

となってしまい、東京方言と比べると、てんでばらばらになってしまいます。

でも僕たちは関東方言話者と関西方言話者の間に意思の疎通に支障をきたすことなんてないですよね。

英語でいうと、有名な”advice”と”advice”の例もその一例です。

単語ごとに確かにアクセントがあります。

名詞で”advice”というとアクセントが前の方について、アドヴァイスになり、

一方、動詞だと、アドヴァイスというようにアクセントが後ろに来ると習ったことがあるかもしれません。

これも実際、アクセントを入れ替えたからといって急に通じるわけがないですし、なによりネイティヴの方々もこれらの法則を守ってるわけではありません。

これは僕たちが文脈の中で単語を判断するからです。アクセントがどうのこうのなんてイチイチ気にしなくても、全然通じます。よって、外国語を話すときもアクセントなんて気にせずにガンガン話してやればいいのですよ!

さて、ここでやっとSUICAとスイカの話ですが、以前留学生を数人含むグループと話していると、留学生の1人が

「昨日東京駅で↑す↑い↑か買った。」

という発言をしました。私を含む日本人グループは

「?なんで東京駅で西瓜を買ったんだ?」

と脳内?マーク状態でしたが、留学生グループだけ全員理解できたようです。

つまり、日本人グループは「↑す↑い↑か」というアクセントは果物のスイカ、「↑す↓い↓か」という発音はカードのSUICAだと区別していることになります。

恐らく、長年そのアクセントに親しみすぎて、もはやそれ以外を連想できなくなってしまったからだろうと思います。

このように、基本的に文脈で区別できてアクセントなんて、意味の区別に寄与しないよーっていう単語もあれば、このアクセントしかあかんでーという単語もあります。なぜかは判明してませんが、果物のスイカの方が圧倒的に日本語の単語として馴染みがあるからでしょうか。それと、じぁあ「東京駅で↓す↑い↓か買った」といったら、皆さんはどちらを想像するんだろうという疑問が浮かびます。誰か暇があったら調査して私に教えてください。